淀川水系の水質を調べる会 紹介

淀川水系の水質を調べる会とは
 1994年6月に淀川流域で水環境保全をテーマに活動する市民グループのメンバーから市民による水質調査をしようという提案がありました。それに賛同した市民、研究者が準備会を持ち、話し合った結果、木津川を中心とした淀川水系の広域調査を行なうことを計画し、調査機関として『淀川水系の水質を調べる会』を結成しました。
 94年10月に淀川水系・木津川の予備調査を行なったのち、94年12月4日に発足集会を開き、正式に活動を開始しました。市民と研究者がそれぞれの特質を活かして、共同で調査を行なっています。
 
構成メンバー
 淀川水系の流域に住み、川の環境問題に取り組んでいる市民グループ(NGO)と環境分析を手がけている研究者が調査スタッフの中核です。それに環境問題を研究テーマにしている大学生や大学院生といった若い世代が共同研究者として加わっています。また、300名に及ぶ市民が調査費用をカンパしてこの調査を支えています。
 
スタッフ・協力者
中地重晴 代表(環境監視研究所所属)
中南 元 顧問
山田晴美 事務局
坪井直子 川の会・名張
川上 聰 川の会・名張
加藤英一 関西水系連絡会
苅谷 稔 関西水系連絡会
本間 都 関西水系連絡会
峰野正幸 関西水系連絡会
木村正徳 木津川流域ネットワーク
別処珠樹 木津川流域ネットワーク
中南 元 元環境監視研究所所長
川嵜悦子 環境監視研究所
小野敬子 環境監視研究所
市原真紀子 環境監視研究所
岸田元男 エスコープ大阪
讃岐田訓 神戸大学発達科学部
井上泰江 同志社大学工学部
木村慎吾 兵庫県佐用町町会議員
藤沢純一 イマジン22(北大阪地方自治研究所)
奥谷和夫 奈良県山添村村会議員
 
これまでの活動
 1995年〜96年に淀川水系の広域調査をしたところ、淀川三大支川の一つである木津川の汚染が予想以上に進んでいることが明らかになりました。しかも上流が大変汚れていることがわかりました。そこでその後の調査では木津川上流にある汚染源を重点的に調べることにしました。都市化が進むにつれ、山間地の開発が進みいろいろな汚染源が上流に集中するようになってきています。大規模住宅地、工場、畜産業、ごみ処分場、ゴルフ場など河川の水質に影響を与える原因がたくさんあります。そのような汚染源が河川にどのような影響を与えているかを調べるのが、私たちの主要なテーマです。
 これまで畜産業、住宅地の生活排水、産廃処分場の影響を調査しました。COD、BODなど一般に用いられる化学的な水質項目のほか、発ガン性の強さを示す物質、環境ホルモン物質などを調べ、汚染の実態を明らかにしています。また一部の支流では、水生生物に対する環境の影響も調べています。これまでの調査は以下の通りです。
 調査結果は各期ごとに報告書にまとめ、公表しています。同時に市民向けの報告会や行政との懇談会などをもち、調査結果を水質保全に活かす働きかけをしています。
 第I期95年2月〜96年3月
 :木津川を中心にした淀川水系の広域調査
 第II期96年5月〜97年9月
 :淀川定点調査、布目川生物調査、畜産廃棄物による水質汚染調査
 第III期98年6月〜2000年3月
 :淀川水系・名張川環境汚染総合調査、笠間川生物調査(産廃処分場の影響)
 第IV期99年8月〜2001年3月
 :淀川定点調査、上野市周辺の木津川上流調査、笠間川生物調査(継続)
 第V期2001年2月〜2002年3月
 :淀川定点調査、柘植川調査、笠間川追加調査、高山ダム調査
 第VI期2002年1月〜
 :淀川広域調査、高山ダム調査、青山町河川調査、笠間川追加調査
 
運営について
 調査費用は市民のカンパと地球環境基金などの助成金によってまかなわれています。各期の調査に着手するごとに市民に広く呼びかけ、カンパを募っています。
 助成金は、第I期調査には全労済研究助成(96年度)、第III期には環境事業団地球環境基金(98年度、99年度)、第IV期にはトヨタ財団市民活動助成(99年度)および全労済研究助成(2000年度)、環境事業団地球環境基金特別枠(2000年度)、第V期〜VI期にはトヨタ財団研究助成(2001〜02年度)、イオングループ環境財団助成(2001.11〜2002.10)、琵琶湖・淀川水質保全機構「琵琶湖・淀川の水辺を愛する活動助成」(2002年度)を受けました。
 流域の市民団体メンバーや研究者、学生が調査スタッフとなり、事務局の招請で随時スタッフ会議を持ち、合議して調査を進めています。調査対象地域の地元市民も会議に加わります。

 

(C) 2001-2006 淀川水系の水質を調べる会