笠間川生物調査(概要)

 笠間川は奈良県都祁村(つげむら)の山あいから流れ出し、室生村、山添村を通って名張川に合流する全長およそ20kmの比較的小さな川です。途中いくつかの小集落を通りますが、大部分は田畑の間を流れています。両岸はほとんどコンクリートで護岸されてなく、河床は自然のままで比較的汚染が少ないと考えられる川です。しかし、上流域の室生村多田地区には安定型の産業廃棄物最終処分場があり、その影響が心配されます。そこで、処分場からの排水が川にどのような影響を与えているかを調べることにしました。調査は1998年から開始し、川底に住む底生生物の調査と理化学的な水質分析を行っています。なお、調査は現在も継続中ですが、ここでは今までの結果の一部を報告します。

安定型最終処分場とは

室生村多田地区にある処分場は安定型といわれるものです。「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では、産業廃棄物のうち土中において腐敗も分解もせず、有害物は溶け出さないとされている廃棄物を安定5品目として分類しています。これに該当するのはゴムくず、金属くず、ガラス及び陶磁器くず、廃プラスチック、建築廃材の5種です。土中で安定なものを埋め立てるから安定型というわけです。ですから簡単な埋め立てでよいとされ、柵で囲い、えん堤や擁壁で廃棄物が流れ出さないようにして、地面にじかに埋め立てていきます。簡単にできるので全国各地に作られ、環境汚染を引き起こし、大きな問題となっています。安定5品目以外の有害物を含んだ廃棄物の不法投棄により有害な化学物質が流出したり、安定5品目といわれている廃プラスチックからも添加剤や可塑剤が溶出するなど、河川への影響が特に深刻です。

 
調査内容 産廃処分場の影響を調査(水生生物のデータは整理中)
調査期間 1998年11月〜00年8月
調査項目 水生生物/COD/BOD/全窒素/アンモニア性窒素/硝酸性窒素/全リン /リン酸性リン
調査地点数 5〜12地点
*2000年8月のみDOも測定 
*他に2000/9/5採水データ等あり。
(C) 2001-2006 淀川水系の水質を調べる会