笠間川生物調査

図VI-1 笠間川生物調査結果(全平均値)
 
調査地点の概要
 笠間川最上流である(1)城福寺は自然の姿が保たれている源流部ですが、(3)こぶしが丘下では住宅地の排水が流れ込んでいます。(5)産廃処分場排水下流は、上流に処分場があり、そこからの排水が流れ込んでいる地点です。そして最下流の(9)下笠間では川幅も広くなり、その下流で名張川と合流しています。
 
調査結果
 この結果(図VI-1)は1998年から1999年の2年間の調査結果です。季節ごとに年4回調査を行い、調査地点は(5)産廃処分場排水下流を中心に春と秋は9地点、夏と冬は5地点です。
 結果を見ると、まず(5)産廃処分場排水下流の値が高い値を示しているのが分かります。また、ここには載せていませんがアンモニア性窒素の濃度が高いことも処分場排水の大きな特徴です。笠間川の最上流から見ていくと、(1)城福寺ではBOD、CODともに低い値でしたが、(3)こぶしが丘下では生活排水などの流入により値が増加しています。そして、(5)産廃処分場排水下流の流入前((4)多田大橋合流前)と流入後((6)多田大橋)を比べると、CODで約2倍、BODで約3倍の増加が見られました。その後、(7)小原、(8)笠間橋、(9)下笠間と流下するにつれて徐々に値は減少していきました。これは、他の谷水の流入による希釈や、自然の浄化作用で汚染が減ったと考えられます。
 また、下流においてBOD、CODは濃度が減少していましたが、全窒素は減少していませんでした。これは、BOD、CODは比較的分解しやすいのに対し、窒素は分解しにくいためと考えられます。
 ここでは調査の一部をまとめましたが、調査は現在も継続中であり、水生生物の結果報告は省略しています。
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