淀川中・下流域調査

図I-1 淀川中・下流域調査結果(年平均値)
 
調査地点の概要
 淀川は近畿1400万人の水道水源となっています。今回は、淀川三大支川(桂川・宇治川・木津川)の一つである木津川を中心に調査を行いました。調査地点は、木津川の上流((1)山神橋)から下流((17)御幸橋木津川)までと木津川の支流、桂川の最下流((14)宮前橋)、および宇治川の最下流((16)御幸橋宇治川)、それに京都の下水処理場排水、三大支川合流後の淀川本川では(18)枚方大橋で採水を行いました。
 
木津川は上流ほど汚れている
 図I-1は、有機物汚濁の指標であるCOD(化学的酸素消費量)の測定結果(年平均値)を地点ごとに載せたものです。木津川の上流から下流((1)(6)(8)(9)(10)(17))へと結果を見てください(図I-2)。CODの値は上流の方が下流と比べて高いことが分かります。この調査によって、木津川は上流ほど汚れていることが明らかになりました。上流からの汚染の原因としては、木津川上流域では下水道が普及していない地域が多いことや、ゴルフ場、産業廃棄物処分場が点在していることなどが考えられます。

図I-2 木津川水系の測定結果(年平均値)
 
宇治川と木津川の順位が逆転
図I-3 三川合流地点の比較
(COD)
図I-4 三川合流地点の比較
(全窒素、全りん)
 図I-3、図I-4は、淀川の主な支川である三川(桂川・宇治川・木津川)の合流地点での水質を比較したものです。CODのグラフを見てください(図I-3)。1984年の調査では、CODの値は木津川の方が宇治川に比べて値が低く、きれいな水質を示しましたが、1995年の調査では、木津川と宇治川が同レベルであることが分かりました。また、全窒素の調査結果を比較すると(図I-4)、木津川の方が宇治川に比べて約2倍の値となり、有機物汚濁という点では木津川の汚れ方が目立ちました。
(C) 2001-2006 淀川水系の水質を調べる会