まず柘植川本流を見てみましょう(図V-1)。最上流の(5)白橋から(4)物堂橋、(3)柏野橋と流下するにつれてBOD、CODともに値が上昇しています。しかしその下流の(2)円徳院橋、(1)山神橋では値は少し減少していました。支流の河合川を見ると、上流の(33)石川と下流の(31)向出橋を比べても値はほぼ変わらず、上流から高い値を示していました。鞆田川、野田川、丸柱川も河川の上流部に位置しながらも高い値を示しました。このように全体的に水質悪化している原因として、ゴルフ場排水の影響が考えられます。18ホール、面積100haの平均的なゴルフ場から排水される有機物汚濁は人口3000人分の生活排水に匹敵すると言われており、柘植川流域では6ヶ所のゴルフ場が点在するので、これらは約24000人分の汚濁負荷に相当します。実に、柘植川流域の人口と同規模以上の汚濁負荷がゴルフ場から加わることにより、河川の汚濁が進んでいると考えられます。
また、生活排水の影響としては(11)佐那具排水路も高い値を示し、流量は少ないながらも(1)山神橋に対して約20%の汚濁負荷であることが分かりました。佐那具排水路と、柘植川本流で値が高かった(3)柏野橋については追加調査(柘植川追加調査参照)で検討を行いました。 |