布目川生物調査

図II-8 布目川生物調査結果(年平均値)
 
調査地点の概要
 まず、布目川の地図を見てみましょう(図II-8)。流域の様子を眺めると、河川の上流部にゴルフ場や畜舎があるのが分かります。中流域には布目ダムがあり、下流には流域住民の簡易水道取水口があります。全長約30kmの比較的小規模な河川です。
 
畜産排水の影響
 (3)上東川針ケ別所のCOD、BOD値をその上流の(2)上東川小倉Bと比べると、いずれも値が増加していることが分かります。これは地点(2)(3)の間に養豚場があり、その排水が流入していることが原因と考えられ、畜産排水の影響が見られました。また降雨時の採水時には、雨が降り出した直後に採水したため非常に高い値を示しました。河川の増水は明らかで、今まで溜まっていた汚濁物が一度に流れ出た影響だと考えられます。
 今回の調査では、最下流の(10)日乃下橋ではCOD、BOD値は低くなっていましたが、畜産排水などによって上流部での河川の汚染が確認されました。
 
ゴルフ場は大きな汚濁負荷源
 ゴルフ場は18ホールで100ha程度の面積を要し、山間部に作られると、往々にして地形的に河川の流れの出発点に位置することになります。今回の調査でも(5)春日台CC下は、ここから布目川の支流が始まっていました。ゴルフ場排水は河川水としてはBODやCOD値が高いことが今回の分析結果からも分かりました。
(C) 2001-2006 淀川水系の水質を調べる会