淀川水系定点調査
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図II-1 淀川水系定点調査結果
調査地点の概要
第1期の淀川水系調査の継続調査として今回の調査を行いましたが、調査地点は前回と若干異なっています。第1期調査が木津川を中心に調査していたのに対し、今回は木津川は
(1)
山城水道取水口(京都府)と
(3)
木津川御幸橋の2地点、あと淀川の支流である桂川、宇治川の最下流(
(4)
宇治川御幸橋、
(5)
桂川宮前橋)、それと京都の下水処理場排水6地点です。支流合流後の淀川本川は、
(8)
枚方大橋で採水しています。
木津川と宇治川の差は広がる
図II-2 三川のCODの年変化
図II-3 三川の全窒素の年変化
図II-2は、淀川の支流三川のCOD値を比較したものです。84年、95年(第1期)、96〜97年(第2期)の値を河川ごとに示しました。桂川の宮前橋が一番高いのは昔から変わりませんが、今回(第2期)の結果では次に木津川の御幸橋が続いています。宇治川、木津川ともにCODの年平均値は第1期と比べて第2期の方が高くなっていますが、木津川の方が増加の割合が高く、宇治川と差がつきました。
図II-3は淀川三川の全窒素の年平均値を95年(第1期)、96〜97年(第2期)と並べて示しました。今回(第2期)の結果を見ると、宇治川は第1期と同じ値を示しましたが、木津川は値が高くなっていました。
このことから、従来淀川三川で一番清流だと言われていた木津川が宇治川よりも水質悪化していることが確認され、前回調査(第1期)に比べて今回(第2期)のほうがその差が開いたと考えられます。
京都の下水処理場排水は改善中
図II-4 下水処理場排水のCOD、全窒素、全りん
図II-5 下水処理場排水の全窒素と
アンモニア性窒素(
NH
4
+
-N
)、
硝酸性窒素(
NO
3
-
-N
)の割合
木津川の水質悪化が進行しているのとは反対に、京都の下水処理場排水はかなり改善されてきていると言えます。図II-4に示すように、下水放流水(
(2)
、
(6)
、
(7)
、
(9)
)のCOD値は年平均で10mg/L以下であり、放流基準(日平均20mg/L以下)の半分以下であることが分かります。
また図II-5には、下水処理場排水の窒素成分の割合を示しました。水中に入った窒素化合物(タンパク質、アミノ酸など)は、分解されてまずアンモニア性窒素になり、アンモニア性窒素は酸化されて亜硝酸性窒素、更に硝酸性窒素へと変化します(硝化といいます)。図II-5を見ると硝酸性窒素の割合が高く、硝化が進んでいることが分かります。
また、
(10)
古川はし尿処理場排水(城南衛管の沢工場)が流量の大半を占めていますが、84年の調査でCOD値が100mg/Lを超えていたことと比べると、その水質はかなり改善されたことが分かりました。
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(C) 2001-2006 淀川水系の水質を調べる会